--------------------
Dysphonia Spasticaの1例
江口 実美
1
,
緒方 聖
1
,
福崎 隆
1
1長崎大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.753-756
発行日 1963年9月20日
Published Date 1963/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203111
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
音声障害患者は,障害を来す原因によつて,器質性のものと,機能性のものとに大別することが出来る。後者は機能性音声障害と呼ばれ,音声器官に器質的変化を発見することが出来ないものを指すが,その病像や誘因が複雑多様であるために診断の確定が困難でありまた,治癒も困難である。
著者らは最近,機能性音声障害と見做されているDysphonia Spasticaの1例を経験した。比較的に稀有な疾患であつて外国においては1855年Panthelが報告していらい,Gutzmann, Ganghofner, Steihert, Schwartz, Hopmann等数多くの報告がなされているが,本邦においては藤田・高藤,小川,栗田,堀口・高橋らの報告を見るにすぎない。臨床的にも特異な症状を呈するので報告する。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.