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文献—口腔鼻咽頭の横紋筋肉腫,他
pp.618
発行日 1963年8月20日
Published Date 1963/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203087
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頭部頸の横紋筋肉腫の1/3は口腔咽頭領域に発生する。著者はWalter Reed Gen. Hosp. の3例と,文献の報告46例とを展望した。鼻咽頭に発生したものが,その1/3を占め,ついで口蓋・uvula,舌という順になり,その他から生ずるのはきわめて少い。形態学的に4型を区別しうるが,embryonal type(紡錘形の細胞が束状に並行に排列)が最も多い。鼻咽頭ではbotryoid type(ポリープ状,細胞はもつと短い紡錘状横紋ほとんど見えず)が多く,舌ではpleomorphic typeが多い。後者は,embryonal型などよりも成熟しているものと思われる。49例のうち36例は12歳以下で,結局小児に多い。頭部頸部横紋筋肉腫は大体若い年令層に多い。男女性差はない。治療前の愁訴期間は1〜6カ月が普通だが,12年1例,13年1例あつた。約半数は術後再発した。再発所見がなくても転移をつくつた。転移は流域リンパ腺と,肺・骨に多い。診断後の平均生存期問け22ヵ月で,5年以上生存は,6例にすぎない。四肢の横紋筋肉腫では34%ほどの5年以上生存が得られているから,これは大部短い。成人のpleomorphic typeは,他部位と同じく生存率も生存期間も高い。5年以上生存6例の治療法は,照射のみ1,手術的切除1,術後照射4となつている。当然のことながら,手術後照射を行なうのが最もよいであろう。単に原発巣切除のみでなく,頸部廓清を合併したい。
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