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上気道急性炎症に対する抗アレルギー剤メトロンコーワ点鼻液の噴霧療法
永井 敏彦
1
1新潟鉄道病院
pp.1191-1194
発行日 1962年12月20日
Published Date 1962/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202982
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I.緒言
耳鼻咽喉科領域で,鼻腔を始め,咽喉頭の急性炎症は割合に多い。かかる疾患は,アレルギー性のものもあり,細菌,ヴィールスによる感染性のものもある訳であるが,寒冷や湿度,塵埃,化学性物質等の外界の刺激によりおこる鼻腔粘膜の反応性カタル性炎症と同じ様な原因でひきおこされる咽喉頭時に気管等の急性炎症がある。これは,俗に「カゼ」のひきはじめ等と表現されている様に,軽い咽頭痛,僅かな咳嗽,時に,該部の乾燥感,刺激感等から自覚され,他覚的に軽い発赤や浮腫が見られるが,まだ粘液の分泌や,膿汁の喀出などは多くは見られない急性炎症の初期の状態である。かかる上気道の炎症は,従来は抗ヒスタミン剤が使用されたが,著者は,鼻腔の同種の病変に奏効するメトロンコーワ点鼻液を,咽喉頭粘膜に直接作用せしめて,この急性炎症をその時機に頓挫せしめ様と考えた。
その結果,咽喉頭に直接ネブライザーを用いてメトロンコーワ点鼻液を噴霧して予想以上の効果が得られたので,ここに報告し大方の御批判御追試を仰ぐものである。
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