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「メトロン・コーワ」点鼻液のアレルギー性鼻炎(血管運動性鼻炎)への使用成績について
鰕原 勇
1
,
斎藤 洋三
1
,
鈴木 達児
1
,
谷川 譲
1
,
藤森 克男
1
1東京医科歯科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.729-732
発行日 1961年8月20日
Published Date 1961/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202727
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I.はじめに
アレルギー性鼻炎(又は血管運動性鼻炎)の治療法には,抗ヒスタミン製剤をはじめ副腎皮質ホルモン製剤にいたる迄,色々とあるが,いずれも一長一短あり,必ず効くというものは現状で見当らない様である。われわれはさきに興和化学研究所より新たに発売された「メトロン・コーワ」(化学名:2,Isopropylamino-6methyl heptane hydrochloride)の注射療法〔1日1Ampl(40mg)〕をアレルギー性鼻炎患者に使用し,その75%に嚏発作,水様性鼻漏及び鼻閉塞等の自覚症状の軽減又は消失,並びに鼻漏中の好酸球細胞の消失等の好結果を観察した1)。
しかし乍ら,嚏発作,水様性鼻漏,鼻閉塞等の自覚症状のうち,注射療法により自覚症状の好転したなかにも6例中5例は鼻閉塞感が軽くのこつていた1)。今回は下記に示す如き処方による「メトロン・コーワ」点鼻液を当外来患者のうち,嚏発作,水様性鼻漏,鼻閉塞の3症候を有するアレルギー性鼻炎患者に使用し,前回の注射療法と比較し,いささか知見を得たので報告する次第である。
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