特集 鼓室形成術
鼓室の病態粘膜に対する処理並びに根治手術との比較について
西端 八郎
1
1慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.867-872
発行日 1962年10月20日
Published Date 1962/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202928
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I.緒言
鼓室成形術の目的は,病巣の除去と共に破壊された伝音機構を修復して,炎症の消退と聴力の改善を計るにある。
しかし,Wullstein,Zöllner初め諸家の手術法をみると,その大部分は,鼓室粘膜を病変高度でない限り可及的に残して居り,せいぜい肥厚粘膜やポリープ状になつたものが耳管口,下鼓室,Fensternicheを閉鎖した場合に,これらを切除する程度である。更にZöllnerは,鼓室に炎症のある場合は,一次的に行わず,zweizeitigに行う事を主張している事は周知の事である。
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