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神経難聴に対するビオタミンの使用経験
大沢 林之助
1
,
添野 精一
,
須賀 秋男
,
工藤 良忠
1東京逓信病院耳鼻咽喉科
pp.535-542
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202869
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I.緒言
神経難聴治療の薬物として,ビタミンB1は以前から知られており,又文献的にもその有効性を述べた数多くの報告がある。
さてビタミンB1誘導体そのものも近年薬理的,臨床的研究が著しく盛んとなり,良好な吸収性,アノイリナーゼに対する抵抗性の増大,又作用の持続性等の点で優れた製剤が発表されている。このたび三共株式会社より合成ビタミンB1誘導体ビオタミン(S-Benzoylthiamine O-monophosphate)が提供されたが,ビタミンB1のベンゾイル化及び燐酸付加により効力を高め安定性の増大を図つた製剤で,従来のビタミンB1に比し消化管よりの吸収がよく血中濃度の持続性が大であり,生体内で活性型B1になる率が大で,アノイリナーゼにより分解されずに投与量に平行して血中濃度が上昇する等の特性を有している。
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