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I.はじめに
近年,メマイを訴えて耳鼻咽喉科外来を訪れる患者は増加の傾向にあり,また他科からメマイの検査を依頼されることも多い。
われわれは,このようなメマイ患者にたいして「前庭外来」をもうけてメマイの原因の探索さらには治療にあたつている。この前庭外来は耳性眩暈と思われるものを,確実に診断し,治療を行うと同時に,内科その他の科から依頼されるメマイおよび平衡障害患者の診断,治療に参考となる助言を与えることを主なる目的としている。
現在,われわれの行なつている検査法その他「メマイ診断の実際」についてはすでに報告した1)2)。
このたびは,昭和35年7月1日から昭和36年6月30日までの一年間に東大耳鼻科前庭外来をおとずれた416名のメマイおよび平衡障害患者について,その内容を検討するとともに,われわれがとくに力を注いだいくつかの問題点について考察を加えてみた。
This is annual report of"Vestibular clinic"inTokyo University Hospital.
Four hundred and sixteen patients were diagnosed and treated in our clinic for a year,from July 1,1960 to June 30,1961.
Some discussions are made on Ménière's disease,vertigo in young female,sudden dea-fness,labyrinthine syphilis,so called benigh paroxysmal positional nystagmus,acoustic tumor,cerebellopontine angle tumor,vertigo due to abnormal blood pressure and ocular nystagmus.
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