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Kurze Geschichte der Vestibularisforschung(その4)
福田 精
1
,
檜 学
2
1岐阜県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
2岩手県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.131-139
発行日 1962年2月20日
Published Date 1962/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202810
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イタリアに於ける前庭迷路研究
イタリアに於ける近代医学並びに耳科学発展の状況はドイツの場合とは全く合致せず,むしろオーストリアの夫れと若干の点で一致をみるにすぎない。又フランス医学は類縁関係をもつているに拘らず,イタリア医学にほとんど影響していない。1930年代までは,イタリアの科学的業績には中部ヨーロッパの業績が数多く引用されており,イギリス,アメリカ系の研究はあまり問題にされていない。然し1930年以後では,この事情は一変し,イギリス,アメリカ系の研究者の文献を参照する傾向がこの国でも著明に増加している。
この間の事情に関しては,之の年代以後ではイギリス,アメリカ系の医学がめざましい発展をとげ,世界において,特に秀れた立場を占めている事実を考えれば,よく納得が行くと思う。イタリアの医学研究は中世紀までは世界で最もすぐれた地歩を占めていたことは周知の通りであり,Cottugnoは1770年代には内耳の解剖学に関しては正しく世界の第一人者であつた。
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