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感音系難聴に対するBTMP使用経験
市原 正雄
1
,
宮尾 赳
1
,
小松 晃
1
,
神尾 鋭
1
,
平良 憲一
1
,
市原 文彦
1
,
佐久間 義房
1
,
村山 知子
1
,
国府田 中
1
,
塩川 久子
1
1昭和医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.793-795
発行日 1961年9月20日
Published Date 1961/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202738
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I.緒言
臨床的に感音系難聴,或いは所謂神経難聴と称される難聴の治療には,1879年Politzelの塩酸ピロカルピン刺激療法を始めとして種々の治療法が行われている。近時,電気音響学的,或いは内耳液の生化学的研究の進展と諸種薬物の造成の進歩と相俟つてFAD,Chondroitin sulfate,TPD,ATP等の製剤の使用効果に関する報告が相次いで見られるが従来感音系難聴の治療法として第1に挙げられるべき普遍的なものはVB1療法であり,先に河田教授が提唱した神経難聴に就てVB1持続注射が著効を見たと発表している。近年新しいVB1誘導体についての薬理的,臨床的研究が旺盛となつているが今回私共はベンゾイル化及び燐酸附加によつて効力の増強を企図された新VB1誘導体S-Benzoylthiamine O-monophosphate(以下BTMPと略記)を試用する機会を得たので少数例乍ら茲に其の成績を報告し諸賢の御批判をお願いする。
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