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鎮痛,鎮静剤「デドラン注」の耳鼻咽喉科領域における臨床的観察
中村 文雄
1
,
内田 一男
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.889-891
発行日 1960年10月20日
Published Date 1960/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202552
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I.緒言
近年麻酔法の進歩は手術に於ける疼痛除去を殆んど完全なまでにした。特に耳鼻咽喉科領域に於ける手術はフェノチアジン系自律神経遮断剤使用による人為冬眠や強化麻酔の実用化以来,患者の手術に対する不安,興奮,術中,術後の疼痛の処置と云う医師としての手術患者の管理に頭を悩ますことが皆無とまでになつた。
即ち1944年フランスのRhone Poulenc研究所でPromethazineが結成され,1950年塩素が添加したChlorpromazineが発見され,更に1951年にはH. Laborit及びH. Huguenardが人為冬眠の臨床実験に対しChloropromazineを用いてPhenothiazine系誘導体が大いに注目されて来た。更に最近ではA. Decourtが1956年Lyonで開催された第10回フランス麻酔学会にMethotrimeprazine(Hirnamin)がその薬理学的研究により麻酔に適した性質を有することを報告した。
A new anesthetic agent dedoran whose active principle is methotrimeprazine is used successfully in various operations of the ear, nose and throat. No side effect is noted.
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