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茎突舌骨靱帯の化骨により喉頭異常感を訴えた1症例
水流 英雄
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.659-661
発行日 1960年8月20日
Published Date 1960/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202505
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I.緒言
近年癌の早期発見が唱えられる様になり,咽喉頭の異常感を訴えて来院する患者が年々増加している。それらの内腫瘍,咽喉頭の慢性炎症等原因の比較的容易に見出されるものもあるが,より詳細な臨床検査によりはじめて原因と思われる変化が見出されるものも少からず,これらに就ては内外諸家により,いろいろ論究されている。即ち食道人口部の炎症性変化(吉尾,仁保),舌根扁桃肥大及び喉頭蓋異常(柏戸他),頸椎異常(梅田,柏戸・他,後藤,Laskiewiez,Morison),茎状突起異常(奈良,牟田・他),低色素性貧血(後藤・池,Johnson),があげられている。
当教室に於いてかかる咽喉頭症状を呈する症例に興味をもち,唾液分泌機能の方面より検討を加え,1953年来数回にわたり報告して来た(北村・他)。又頸椎異常特にその椎間孔の変化及び舌骨異常もその原因となり得る事を報告して来た(北村・他,中野・他)。
Tsuru reports a case of ossification of the stylohyoid ligament that caused symptoms of laryngeal constriction. The diagnosis of the abnormal ossification was confirmed by X-ray. The ossified ligament was removed by surgical intervention and the patient made an uneventful recovery.
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