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耳介乳嘴腫の1症例
畠山 守成
1
,
宮下 清
1
1金沢大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.563-565
発行日 1960年7月20日
Published Date 1960/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202485
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I.緒言
従来聴器に原発する腫瘍,ことに良性の腫瘍はまれなものとされている。骨腫,軟骨腫,線維腫,血管腫,皮様嚢腫など,すべて聴器にはきわめてまれなものと記載されている。聴器の乳嘴腫は比較的多く,外耳道では良性腫瘍中最も多いといわれている。外耳道乳嘴腫はすでにGrüber,Schwartze,Haūg,Benjamin,Bleylなどによつて報告され,本邦では鰐淵,金崎をはじめ,緒方,村沢,広瀨,陳などによる数多くの報告をみるが,耳介の乳嘴腫はまれで,その記載,報告例はSchwartze,稲守などきわめて少数である。
我々は最近たまたま耳介乳嘴腫の1例に接する機会をえたのでここに報告する。
A case of papilloma of the external ear is found in a farmer, aged 63. The patient sought consultation because of ear discharge, with slight itchiness and pain. The patient made an unventful recovery after surgical removal of the growth.
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