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感音系難聴に対するChondroitin Sulfateの治療効果
小川 常二
1
,
猪 初男
1
,
関谷 忠雄
1
,
浮田 実三
1
,
山下 憲治
1
,
菅野 亨
1
,
安元 泰博
1
,
椿 茂和
1
1国立病院難聴共同研究班
pp.495-498
発行日 1960年6月20日
Published Date 1960/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202470
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I.緒言
Chondroitin sulfateの組織賦活作用が認められて臨床方面に使用されてから既にかなりの年月が経過したが,近来耳鼻咽喉科領域の諸疾患に応用される良好な結果が得られていることが文献で報告されている。特に聴神経末梢に諸種の変化を起す内耳性難聴に対する効果は志多等の基礎的研究と共に諸家の報告によつて明らかなところである。chondroitin sulfateの薬理作用の詳細な部分は未だ解明されていないものも多いが,組織膨化能,透過性亢進,毛細管拡張による血液促進等にもとづく細胞代謝能の亢進及び細胞機能に対する賦活作用及びグルクロン酸抱合解毒作用が効果を来すものであろうことが想像されている。
我々は昭和33年以来国立病院難聴共同研究班として感音系難聴に対する治療の問題をとりあげ全国7国立病院に於て薬物療法を主とした共同研究を行いその結果について検討して来たが,現在迄行われたchondroitin sulfateによる治療の症例について多少の知見を得たので報告する。
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