創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
耳—症候と疾患
感音難聴
立木 孝
1
1岩手医科大学耳鼻咽喉科
pp.751-752
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208723
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感音難聴の治療はきわめて困難なことである。突発性難聴を主体とするいくつかの急性感音難聴は,最近ようやく効果的に治療できるようになつたが,その他の大部分の感音難聴については,この方面の研究者の多年にわたる努力にもかかわらず,依然として聴力の改善がほとんど期待できない。
したがつて感音難聴の治療は,まずそれが治り得る難聴であるか否かを認識する所から出発しなければならない。ついで原因の究明とその除去,聴力の追跡調査と進行性の判定を行なう。感音難聴の予後の実態はまだ明らかでない部分が少なくないので,これらを究明することが将来における感音難聴治療の成功への着実な道程である。
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