薬剤
チオクタンによる感音系難聴及び耳鳴の治療成績
小川 常二
1
,
椿 茂和
,
平木 達也
1国立東京第一病院耳鼻咽喉科
pp.507-511
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202864
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緒論
感音系難聴及び耳鳴の治療についてはわれわれ耳鼻咽喉科医が常に苦心しているものであるが,従来ビタミン剤を始めとして諸種の薬剤が治療に用いられてその治療成績にみるべきものが多いことは多くの報告で示されているが未だ決定的なものではない。最近チオクト酸を感音系難聴及び耳鳴の治療に使用した報告を散見して著者らもそれらの治療に使用してみた。
チオクト酸は1・2dithiolane-3-valeric acid(6・8-thioactanoic acid)で
(図省略)の構造式を有する淡黄色の結晶で,融点47.5℃,〔α〕D25+96.8゜結晶はベンゼン,酷酸エチール,メタノールに易溶であるが水に難溶である。
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