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舌リンパ管腫の1症例
菅野 亨
1
,
田中 康夫
1
,
内田 一男
1
,
方円 正久
2
1国立舞鶴病院耳鼻咽喉科
2町田病院耳鼻咽喉科
pp.467-470
発行日 1960年6月20日
Published Date 1960/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202463
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I.はしがき
巨舌症とは舌の一部,或いは全部が瀰慢性に大きくなつた場合の臨床上の症候的な名称である。舌肥厚の原因はいろいろあるが最も普通に見られるのはリンパ管腫性であり,今日巨舌症は一般に先天性のものとされており,特にリンパ管腫が瀰慢性に舌組織を占めた場合を意味する。又リンパ管腫が口唇或いは頬部に発生すれば巨唇症,巨頬症を惹起する。本症は耳鼻咽喉科領域に於て遭遇することは比較的稀なものでその報告も少ない。私達は最近浅在性舌炎をともない再三大きくなつたり,小さくなつたりして難治で某医に前癌状態ではなかろうかとの診断で当科に来院した巨舌症の1例を経験し手術的に剔出,術後レ線照射により良好な結果を得ることが出来たのでここに報告したいと思う。
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