- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.緒言
外耳奇形の症例は内外文献にかなり報告されており,非常に稀な疾患とは云い難い観がある。例えば副耳は人口の1.5にみられ(Altmann12))先天性耳瘻孔は白人の子供の0.9%,黒人の子供の5.2%(Selkirk23)),日本人の4.8%(本間10))にみられ,先天性鎖耳,に関しては耳鼻科を訪れる患者の0.04%(Jacobson19))又は0.05%(Bezold13))にみられるという。
外耳奇形の患者は奇形が外耳にだけ限局していることは少く,多くの場合患側顔面萎縮殊に短小な下顎骨を伴つているが,この他にも身体各部に種々の奇形を有することが少くない。Altmann11)は比較的頻繁にみられる合併症として下顎骨形成不全,下顎枝並に顎関節欠損,頬骨形成不全乃至欠損,硬口蓋形成不全,口蓋帆形成不全乃至欠損,扁桃欠如,扁桃奇形腫,中耳における異所的胸腺,顔裂特に横顔裂,唇裂及び口蓋裂,偏側顔画萎縮,先天性顔面神経麻痺,耳下腺形成不全,後鼻孔閉鎖,眼瞼欠損又は先天性眼裂狭小等を挙げている。
A case of malformation of the ear in whom malformations of the face and other parts of the body were found is reported.
The author agreed that stress in the early state of pregnancy might be the principle cause whereby malformation in the fetus may-be manifested.
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.