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ストレプトマイシンに因る聴覚障害の予後について
立木 孝
1
,
坂本 伸一郞
1
1弘前大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.111-114
発行日 1960年1月20日
Published Date 1960/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202388
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I.緒言
ストレプトマイシンによつて起る聴覚の障害に甚だしい個人差が認められる事は既に周知の事実である。即ち大量を使用したからといつても必ずしも難聴とはならず,小量を使用したからといつて障害が起らないとは云えないのである。又一旦障害が起つた場合でも,大量を使用したものに於て重症であり,小量のものが軽症であるという傾向も認められない。云い換えれば,その起り方に,少くともストマイ使用量に関しては全く規律が認められないのである。
それならば,その予後に関してはどうであろうか。一旦発生した難聴の,その後の経過には何らかの規律が認められるものであろうか。私共はその点に関して多くのストマイ難聴症例を検討し,いくつかの興味ある現象を認めたのでここに報告し,諸賢の御批判を得たいと思う。
By investigating the progress by which streptomycin deafness may be established, it was found that there is no set forms with which that deafness may follow. In other words each individual differ from the other but such rn individual difference will become an aid in making a prognosis.
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