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結核腎に対するストレプトマイシンの影響について
INFLUENCE OF STREPTOMYCIN TO TUBERCULOUS KIDNEY
小松 須賀男
1
,
杉原 芳夫
1
,
大北 健逸
1
Sugao Komatsu
1
,
Yoshio Sugihara
1
,
Kenitsu Ōkita
1
1広島大学医学部泌尿器科教室
1Urological Department, Hiroshima Medical College
pp.12-19
発行日 1957年1月1日
Published Date 1957/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201861
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緒言
結核に対する抗結核剤の進歩は,1944年S. A. WaksmanによるStreptomycin(SMと略記)の登場によつて一紀元を劃し,続いて1946年LehmanによりP-amino salicylic acid(PAS),1948年DomagkによりP-acetylaminobenzaldehyde thiosemicarbazone(TBI),更に1912年M. MeyerとJ. Mallyによつて合成されたIsonicotinic acid hydrazide(INAH)も1952年Domagkらの実験によつて結核菌に卓効のあることが証明されて一躍かゞやかしい脚光を浴び,それらの各々就いて其の優秀性を述べた臨床報告は枚挙に遑なく,薬理学的研究,副作用の検討,病理組織学的研究も既に数多く行われている。
さきに著者の一人小松1)も発表した如く,抗結核剤によつて,腎結核患者の著しい臨床症状改善がみられるのは周知のことであるが,現今ではLattimer2)ら,Capellen3),Hinshaw4),Nesbit5)らの云う如く,large renal lesionについては化学療法に期待が持てず,腎結核の治療としてなお腎摘手術が主体であり,抗結核剤はその補助的手段にすぎない。
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