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真性臭鼻症に対する一保存的療法
山崎 可夫
1
,
日野原 正
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.469-471
発行日 1959年6月20日
Published Date 1959/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202260
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I.緒言
真性臭鼻症は耳鼻咽喉科領域における難治の疾患の一つである。1874年Bernhart Fränkelが鼻腔萎縮,痂皮形成,悪臭の三徴候を有し,潰瘍を伴わざる疾患をOzaena simplexsive catarrhalisと記載して以来,今日まで試みられてきた治療法は枚挙にいとまないが,適確なる治療法がないといわれている現状にある。
我々は先に蛋白分解酵素Nagarseを慢性副鼻腔炎に使用して,良好なる結果を収めたことを報告したが(耳鼻咽喉科29巻12号),今回はOzaenagenuinaに蛋白分解酵素たるNagarseおよび唾液腺ホルモンたるParotinの併用療法を,わずか2例ではあるが施行して好結果を得た。本療法が真性臭鼻症の保存的療法に何等かの光明をもたらすことが出来れば幸であると愚考し,ここに報告して諸賢の御批判,御教示を乞う次第である。
Two cases of ozena was successfully treated by protein derivative nagarse and salivary hormone, parotin.
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