今月の主題 慢性骨髄増殖症候群
治療
真性多血症の治療
栗田 宗次
1
1愛知県がんセンター第2内科
pp.1162-1163
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207992
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はじめに
真性多血症は真性赤血球増加症,Vaquez-Osler病ともよばれ,原因不明で経過の慢性な赤血球の異常増加を主徴とし,しばしば白血球や栓球の増加,脾腫を伴い,いわゆる骨髄増殖症候群の一つと考えられる.その診断には,動脈血酸素飽和度の低下する心肺疾患,腫瘍や腎疾患に伴う二次性赤血球増加症,高血圧を伴うストレス赤血球増加症,異常血色素によう遺伝性赤血球増加症などとの鑑別が必要である.
真性多血症の治療は,主として赤血球の増加に由来する各種の自覚症状の軽減と,出血や血栓症など予後に影響する合併症の発生の予防であって,機械的に赤血球を除去する瀉血療法と,32P療法や制癌剤を用いる化学療法による骨髄抑制療法とがある.しかし,その至適療法については,効果と副作用のみならず骨髄線維症や急性白血病の発生,予後との関係などより論じられ,現在まだ統一された見解はなく,今後の検討にまたれている.
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