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Ⅰ.まえがき
臭鼻症の治療は一般に専門医でも敬遠しがちである。患者は根気よく毎日外来に通うが,その都度,黄緑色悪臭ある痂皮又は膿汁が多量に排出され,僅か1日の間にどうしてこれ程多量の痂皮,膿汁がたまるのか驚く程で治療医にとつても余り気持のよい患者ではない。一般にSMネブライザーが比較的有効だとされているが,これとても効果は一時的で,治療を中止すれば途端に元の状態に逆戻りして根治的ではない。外来治療の煩雑を避けるためには結局,手術ということになるが,手術すれば必らず根治するかとなると,必ずしもそうとも言えないのが現状のようで,あまり積極的には手術されていないようである。
私は過去においては久保式上顎下鼻甲介法を主として行なつたが,この方法は,当初においては有効であつても,時日の経過とともに,移植上顎洞粘膜の萎縮が進み,ほとんど元の状態になるのを経験し,最近は腸骨移植術を行ない,比較的に安定した成績を得ているので,その手技,および症例について報告する。
The therapeutic procedures employed in the treatment of ozena may be divided into that of conservative and surgical. Fifteen cases of ozena treated by surgical means are reported. Autogenous bone-graft taken from the iliac crest is transplanted as an implant beneath the mucoperichondrium of the lateral nasal wall. In this way the lateral nasal wall including the inferior turbinate would be mobilized and displaced permanently closer inwards the midline.
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