特集 耳鳴と眩暈
第2章 眩暈
精神科からみた眩暈
新海 安彦
1
1慶応大学精神科
pp.876-885
発行日 1955年12月25日
Published Date 1955/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201467
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Ⅰ.前言 眩暈感は原因の純粋な,即ち前庭性眩暈から,又莫然たる性質の眩暈に至るまで極めて多様性を有するものであり,我々の精神科領域で扱うものは,その後者に属するものが多いのである。
実に平衡を維持するためには多数の神経系が関与して居り,その諸系統は,無意識にとゞまる所の固有諸反射,諸協同,更に筋緊調,諸体位を調節する所の姿勢並びに位置反射とも深い関係を有し,之等すべての自働運動は,脳橋の上縁と赤核との間に横たはる諸中枢の間で主として行われ,諸機能の亢進,或いは異常機能を示す事がある。
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