特集 耳鳴と眩暈
第2章 眩暈
眩暈と学説
長谷川 高敏
1
1大阪市立大学
pp.805-814
発行日 1955年12月25日
Published Date 1955/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201460
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Ⅰ.緒言
眩暈と云う症候は,医家のみならず患者その他一般に,常識的には良く理解されている。これは病気でない健康人に於ても種々な強い知覚刺戟に際して現れ,広く経験されているからである。
しかし,一体眩暈とはどんなものかと云う定義になると,これは大変むつかしく,諸家が色々と述べているが,未だに決定的な定説がない。言う迄もなく心理的な主観的な症候であるから,その迫及検討が困難な上に,又種々な原因で起され,種々な型を示すので,総合的な定義を下すのを困難にするからである。
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