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オーレオマイシンによる中耳炎点耳療法
大沢 林之助
1
,
添野 精一
1
,
鈴木 敬
1
,
中川 惣一
1
1東京逓信病院耳鼻咽喉科
pp.525-529
発行日 1955年9月20日
Published Date 1955/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201399
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中耳は,骨部に囲まれて洞状をなしている所が多く,軟部組織及び血管分布が比較的少く,粘膜は直接に骨及び軟骨を覆つており,又外界と通じて汚染され易い等の解剖学的特徴を持つていて,藥剤を経口,注射等により全身的に使用した場合比較的奏効し難い場所の一つに数えられている。従つて中耳の炎症には抗生物質を局所的に併用する事が推薦されている所以である。
さてオーレオマイシン(AM)は広い抗菌スペクトラムを持ち,ペニシリンの奏効し難いグラム陰性桿菌や又ペニシリン,サルフア剤等の耐性菌にも有効であつて,中耳点耳用藥剤として甚だ効果的と思われる。今回AMによる点耳療法を行う機会に恵まれいささか治験を得たので発表する次第である。
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