点耳薬と点鼻薬

点耳薬

1．はじめに

　点耳薬は，外耳道や中耳腔の疾患部位に対して，局所に高濃度の薬理作用を発揮でき，全身への薬剤分布は低濃度に維持できる耳鼻咽喉科領域に特有の局所治療薬である。感染病巣の薬剤濃度は耐性菌のMIC（最小発育阻止濃度）を十分に超えるため，薬剤耐性菌に対しても高い抗菌効果が期待できる^1）。点耳薬は，点眼薬や点鼻薬と異なり，医師による処方が必要な薬剤であり，これは医師の厳重な管理や指導が必要であることを意味する。