特集 今日の耳鼻咽喉科
日常診療に必要な知識
治療方法
点耳療法による内耳障害について
野村 恭也
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.857-862
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208979
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
点耳療法とは外耳道に薬液を入れて外耳・中耳の炎症の治癒をはかる方法をいう。鼓膜に穿孔がない症例では点耳を行なつても,それが直接鼓室には入らないが,穿孔のある症例では鼓室に入る。
点耳療法によつて内耳障害がおこるのは,薬液が中耳からさらに内耳に入る場合であろう。これには点耳薬の組成,中耳の構造,中耳の病態,点耳薬内の薬剤の代謝など複雑な因子が組合さつており,これらについて十分な理解をもち,安全な点耳薬の使い方を行なうことが大切である。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.