特集 難聽研究の進歩
内耳開窓術—迷路開窓術
柏戸 貞一
1
,
堀口 申作
2
,
橋本 泰彦
3
,
本庶 正一
4
1横浜医大
2東京医科歯科大学(難聽研究室)
3日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
4山口医科大学
pp.698-725
発行日 1952年12月20日
Published Date 1952/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200820
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緒論 内耳開窓術の歴史は既に古い.然乍私共が其の樣な手術が欧米に於て研究されて居るといふ事は承知しつつも,之に対しあまり積極的な研究をせずに居る間に,夫等諸国に於ては著明な進歩が行はれ,今次の世界戦争が終つた時ては其の進歩の跡に驚異の眼を見張らざるを得なかつた。之が内耳開窓術に関する私の偽りない感想である。之が為私は其の後遅れ走せ乍本手術に就いて研究を進めて見た。元来外科手術は技術が可なり重要な部分を占めて居る。従つて直接之を実施して居る人に就いて見聞する事が其の技術を習得するに一番の捷径である。然乍私には其の樣な道も無かつた。之が為私は一々之を自家実験に訴へて研究を重ねて見た。従つて其の進歩は遅々たるものであつた,然乍何年か之を続ける中に最近は或る程度先人の到達した境地に近づき得たと自負し得る樣になつた。之が為既に数回に渉つて本問題に就き学会乃至誌上に研究を発表して来た。就いては今回一応之迄の研究を纒めて置きたいと思ひ茲に敢て一文を草する次第である。
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