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プリビナの耳鼻科的疾患に對する使用経験
大沢 林之助
1
,
法水 正文
1
,
中村 正彌
1
1東京逓信病院耳鼻咽喉科
pp.245-247
発行日 1954年5月20日
Published Date 1954/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201135
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Ⅰ.緒言
アドレナリンは,耳鼻咽喉科領域に於て,手術時注射用として必要なばかりでなく,耳鼻咽喉各部の粘膜面に他の藥剤と伍して塗布用,点滴用或は噴霧用として麻酔の目的に,又血管收縮による粘膜腫張軽減の目的に,従来から主要な役を果して来た。
さてMeier及びMuellerによつて発見されたプリビナ(Privina)は,2-(α・ナフチールーメチール)イミダリンの硝酸塩で,本剤の0.05%水溶液(原液)は,光,熱及び空気に対し安定で分解することなく長期の保存に堪える。又高圧蒸気減菌が可能であるとされている。藥理作用としては強力な持続的血管收縮作用を有し,且後作用としての充血とか粘膜腫張を全くおこさないと報告されている。鼻科領域の適応としては,原液2〜3滴の点鼻により,鼻粘膜充血及び分泌過多を軽減し,長時間効果が持続すると言われている。従つて急性,慢性鼻炎及び副鼻腔炎の充血除去及び鼻粘膜腫張による副鼻腔自然孔の狭窄を軽減し,分泌排泄促進の目的に使用して有効であると考えられる。
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