特集 扁桃摘出の病理と手術
扁桃剔出の自家臨床
千葉 眞一
1
1神田瀬木診療所
pp.745-749
発行日 1953年11月30日
Published Date 1953/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201013
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私が局麻扁剔をやり出したのは大正元年以來の事であつて,それから今日迄約42年を經過して居る,其間には勿論習得期,研究期,練習期,確信期の4期があつて,夫等の時期を經過して遂に今日に及んだ,此長年月の間には,勿論扁剔手術上種々の事故,困惑等に幾度か遭遇し,其都度或は術式に於て,或は處置法等に於て,工夫改善した結果,遂に漸く現行の域に立ち至つたのである。今回醫學書院から「扁剔の自家臨床」と云う課題の下に,執筆を請はれたのを機とし,此際今日迄の自分の經驗に基き,扁剔手術上の2, 3の事項を述べて,同僚及び後進者諸君の參考に供し樣と思う。若し之に依て多少とも讀者に稗益する所があれば,私の望外の悦びである。
元來扁剔の手術は,文書又は圖解のみでは充分其眞諦を會得し難く,結局床上の水練に墮し終るので,矢張り機會ある毎に,先輩又は同僚の實演を親しく目撃する事が,理解上最上の路であつて,所謂百聞一見に如かすである。
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