特集 扁桃摘出の病理と手術
扁桃全摘の自家臨床
黑須 巳之吉
1
1黑須醫院
pp.771-774
発行日 1953年11月30日
Published Date 1953/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201018
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本論に入る前に扁剔についての自分の經歴をお話する必要があると思います。
と云うのは自分は耳鼻咽喉科について何の素養もない時に,而して又本邦に於ける扁剔に關する當時の状況を知らずに大正3年に渡歐し(目的はベルリンのグッツマンの所へ行き言語並に音聲障碍の治療法を學ぶ爲でした)先づフライベルグのカーラーに就き耳鼻咽喉科學を修め,一通り修得したらグッツマン氏の所へ行く積であつた,所が2ケ月にして第一次世界大戰勃發ロンドンに逃れ其所に半年見學次いでバーゼルのジーベンマン先生につき,始めは外來診察を手傳い後に助手を勤めて約1年で帰朝金杉病院に職を奉じたわけで扁剔に就いて師につき本當に學んだことはない。從つて自分の行つてる居る扁剔は大體に於いて先哲の教を書物によつて學び2, 3の人の手術を見て他は我流でやつて居る樣なもので諸氏の樣に正式な修業をしておりませんから其を御披露して皆さんの御批判を仰ぎたい。
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