特集 難聽研究の進歩
ビタミンA.D注射療法並にレ線療法による難聽治療追試小験
大和田 健次郞
1
,
坪井 八郞
1
,
原田 利治
1
1慶応大学医学部耳鼻咽喉科
pp.726-728
発行日 1952年12月20日
Published Date 1952/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200821
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緒言 難聽に対する治療効果は余り香ばしいものではないようである。伝音性難聽に於ては或る程度の効果をあげ得るが,感音系難聽と思われるものに於ては,仲々回復しない。難聽の原因についての動物実験では,例えばビタミンの各種について,欠亡食で飼育すると,多かれ少かれ難聽を来すらしく,これを組織学的に検索すると蝸牛或は神経節等に変化が来ている。従つて之等の欠亡によつても難聽は起り得る。併し人間の難聽が之等の欠亡によつて起ることもあると思うが,難聽だけ特に来ることも疑問が持たれる。難聽の何パーセントかは,ビタミン欠亡もあるかもしれないので,ビタミンAの大量投与療法をBaronの方法に従つて追試してみた。米国でも有効と無効の成績が出ている。我々の成績も勿論香ばしいものではない。
難聽治療について河田教授の行われた上頸部交感神経節のレ線治療を少数試みたので,報告したいと思う。
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