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前部副鼻腔の手術に就て(第Ⅱ報)—眼窩上篩骨蜂窠炎の手術療法に就て
北村 武
1
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科学
pp.551-554
発行日 1952年12月20日
Published Date 1952/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200795
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本誌24卷2号に前部副鼻腔炎の新しい一手術法を記述したが,本年5月の仙台の総会に於て,この後の経験中眼窠上篩骨蜂窠(以下眼上蜂窠と略す)炎に就てのべた。これに補足して眼上蜂窠炎の手術に就て記述したいと考へる。
眼上蜂窠とほ前額洞の後方,前額骨の水平部即眼窠の頭蓋壁円に存する含気腔であつて,前額洞開孔部の側後方に開孔している。Ronstgeu写真による統計で33.1%の出現率を認めたが,これが臨床的の意義をもつ程の大さのものは約10%である。昨年の此の手術法による手術例28症例のうち11例19側は此の蜂窠に特別の注意を払ふ必要があつた。此の蜂窠は底か内側(篩骨蜂窠側)を向いている楔状をなす場合が多く(第1図A.B)側端が膨大していることは少ない。しかし病的な場合には全体として拡張し,殊に側端が甚だしく拡張していることもある。
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