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化膿性腦膜炎に對するペニシリン療法の1經驗
石原 雄
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.156-157
発行日 1952年4月20日
Published Date 1952/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200648
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緒言
耳鼻咽喉科領域に於ては耳性頭蓋内合併症の症例は甚だ多いのに反し鼻性頭蓋内合併症の症例は実に少い.
1890年Pittがその1例を報告して以来漸次諸家の注目する所となつた.本邦に於ても1910年樋口の前洞頭炎より化膿性脳膜炎を惹起した致死例の報告を始めとして其後続々症例発表を見又,景山,松井,山本,須小等の実験的研究を観るに至つた.然し乍ら頭蓋内合併症の鼻腔,副鼻腔に起因するものは日常しばしば遭遇するものではない.我国に於ける鼻性頭蓋内合併症の報告例は昭和10年(1934)下山が43例を蒐集して以来今日迄50例余りに過ぎない.さて鼻性頭蓋内合併症は如何なる経路をとつて惹起されるかというにBurgerは次の7経路を考慮した.
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