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口腔側壁組織内より外耳道に亘り繋留せる異物(竹片)の1例
栗原 毅夫
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1健康保険川崎病院耳鼻咽喉科
pp.138-139
発行日 1952年3月20日
Published Date 1952/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200642
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外傷に因る異物に就ては,それがレ線に明らか、に現れない樣な種類のものは勿論であるが,更に其の受傷時の状況,又は受傷部位乃至は其の後の経過等によつては非常に診断が六ケしく,往々異物の存在すら全く想像もつかぬ樣な場合があるものである.最近経験した1例に於ては,以上の諸点に加うるに,患者が幼児のため,自ら異常を適確に言い表わし得ない等の特異性のため,遂に腐骨除去の目的の手術に依つて,初めて発見するまで,約1ケ年の間,而も相当大なる異物でありながら,その存在を全く予想し得られなかつたもので,診療上に種々不注意のあつた点はあるが,臨床上興味ある経験例と思い,茲に報告し,御参考に供したいと思う.
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