トピックス 耳鼻咽喉科領域の異物とその除去法
外耳道異物
馬場 俊吉
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.831-835
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900448
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はじめに 外耳道異物は日常外来診療でしばしば遭遇する疾患で,異物年齢は幼小児から高齢者まで幅広く分布している。異物の種類も有生異物から無生異物まで多岐にわたり,症状の発現も異物の種類による違いがある。診断は問診と耳鏡検査から容易である。しかし,異物の種類によっては鼓膜穿孔や内耳障害などの合併症を起こすことがあり,十分な検査を必要とする。特に,耳かき異物は鼓膜穿孔,内耳障害や顔面神経麻痺などの合併症を起こしやすく注意が必要である。異物除去は明視下に異物鉗子や耳垢鉗子で簡単に除去できることが多い。しかし,異物の種類によっては熟練した技術を必要とすることがある。異物除去に非協力的な小児や成人,あるいは,重篤な合併症の起きている場合には全身麻酔下に除去を行い,併せて合併症に対する処置を行わなければならない。
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