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緒言
上顎洞蓄膿症殊に慢性のものに対する治療法に付ては已に論議が重ねられ,手術的療法,非手術療法に関する幾多の方法が試みられている.
本症の根治療法としては手術的療法によるべきであり,殊に篩骨洞副鼻腔炎等を同時に伴う事の多い本症は複合的手術療法以外に根治せしめる方法はないとされている.しかし自覚症状が特に重要な意味をもつ本症に於ては手術療法を施しえない場合に,この自覚症状を一時的にせよとり去る事は決して無意味な事ではない この意味で試みられる非手術的療法としては,従来より行われている(1)コカイン,アドレナリン鼻内塗布,洗滌.(2)自然孔よりのカニユーレによる洞洗滌.(3)下鼻道側壁穿刺洗滌.(4)同じく下鼻道側壁を穿孔器で貫き更にスタンツエを以て拡大し洗滌するクラウセ(Krause)氏法等の方法に加えて,(5)ペニシリン頸動脉注射.(6)ペニシリン高単位連続注射.(7)プレツツ(Prötz)氏法によるペニシリン注入.(8)ペニシリン陰圧噴霧療法.等の療法が盛に用いられる樣になつたこれらは更に嫌気性菌に対してはホモスルフアミン,ストレプトマイシン等の応用に迄進み,種々の化学製剤,抗生物質が用いられる樣になつた.
KOYAMA tried the use of penicillin and homo sulfamin as an instillation in the maxillary sinus after the irrigation in non-operative treatment of the chronic affection. Comparing with the sinus of the opp-osite side which was treated by irrigation alone the rate of recovery was definitely faster.
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