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軟性合成樹脂による隆鼻術について
後藤 修二
1
,
大塚 輝裕
1名古屋大学耳鼻咽喉科学
pp.363-366
発行日 1951年9月20日
Published Date 1951/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200543
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緒言
外鼻整形の1分野としての隆鼻術は古くより行われているが,隆鼻術に於いで問題とされるのは,その挿入物質の選択,改良であり,文さらにシーネの製作法であり,更に顔貌の美の問題である.
而して隆鼻術を行うに当つての挿入物質については,古来色々のもめが使用されて,その特徴,利点,欠点が夫々明かにされて,今日迄象牙を使用するのが最もよいとされていたのである.然し象牙に於いて欠点とする所はその形を作るのに厄介であることと,重さが相当にあるために大きなものが挿入し得ないこと,並びに頭重感を惹起し易いことである.そのために象牙が隆鼻術用材料として最も良いとされながらも,他に何か良い材料はないかと不断の努力がなされていたのである.ここに於て合成樹脂の登場と共に本剤が隆鼻術用挿入物質として使用されるようになつたのである.
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