論説
孤立性鼻咽腔ポリープの摘出法に就て
笹木 實
1
,
久保 隆一
1
1九州帝國大學醫學部耳鼻咽喉科學教室
pp.29-32
発行日 1946年11月20日
Published Date 1946/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200005
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緒言
孤立性鼻咽腔ポリープの大部分が副鼻腔殊に上顎洞粘膜より發生することはKillianにより唱へられ,久保猪教授により證明せられた處で,その治療法としては慢性上顎洞炎根治手術術式に則り洞粘膜を全部剥離し全ポリープ系を一時に摘出する方法が行はれてゐる。併し各臨牀例を詳細に觀察するに副鼻腔と關聯のない孤立性鼻咽腔ポリープが稀でなく從つてその摘出法も困難な場合が尠くない。余等は曩に耳鼻咽喉科第14卷6號391頁に副鼻腔と無關係なる孤立性鼻咽腔ポリープの2例を擧げその摘出法に就ても述べた。本法は既に星野耳鼻咽喉科學鼻科學編にも紹介せられてゐるが尚その詳細に就き時々質問に接することがあり,又其後非副鼻腔性の孤立性鼻咽腔ポリープの五症例に遭遇し余等の方法にて容易に摘出したので茲に追加報告し再び摘出法に就き述べて見たいと思ふ。
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