海外見聞記・19
ボスと彼のオフィスの訪問者
田崎 寛
1
1慶大泌尿器科学教室
pp.639
発行日 1965年6月1日
Published Date 1965/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204114
- 有料閲覧
- 文献概要
ボス即ちDr.H.Brendlerはマウントサイナイ病院の中にだけオフィスを持つている。彼がUrologyのDirectorとしてフルタイムの勤務をする様になつたのはこの病院としては初めてのことで前任者のDr.Oppenheimerにしても病院外つまり街の中にオフィスを持ちながらDirector業も兼任していた。Dr.BrendlerがフルタイムのDirector業をすることになつたのはこの病院の大学昇格のための一つのステップとしてResidentやInternの教育の徹底とResearch領域の開拓が彼の大きな課題であるためと思われる。
彼のオフィスは内科のDr.Gut—man-Am.J.Med.のChief Edi—tor—の隣りにありざつと20畳近い広さの応接室兼用の書斎とその半分ぐらいの広さの秘書室を持ち,IBMの磁気録音装置と電動タイプ,自動計算機,自動複写装置などを備え,常勤非常勤の2人の秘書を雇つている。それでもDirector業は非常に多忙で,彼に会おうと思つたら勿論アポイントメントを取つておく必要があるが,それでも仲々長時間の会見は困難である。私は1964年9月初めてこの病院に出勤した日から約1ヵ月ボスと一緒にこの部屋で過したが,大病院のボスともなるとその仕事の量の多さには驚かされた。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.