Japanese
English
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パンフランアセテート軟膏の治験
TREATMENT OF DERMATOSES WITH PANFURAN ACETATE OINTMENT
加納 魁一郎
1
,
森 弘文
1
,
岡本 正明
1
,
佐々田 健四郎
2
,
安江 隆
2
,
筧 秀夫
3
,
上田 宏
3
Kiichiro KANO
1
,
Humio MORITA
1
,
Masaaki OKAMOTO
1
,
Kenshiro SASADA
2
,
Takashi YASUE
2
,
Hideo KAKEI
3
,
Hiroshi UEDA
3
1名古屋大学医学部皮膚科教室
2名城病院皮膚科
3名古屋第一日赤病院皮膚科
1Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine
2Department of Dermatology, Meijo Hospital
3Department of Dermatology, Nagoya 1st Red Cross Hospital
pp.319-325
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204047
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I.緒 言
約30年前よりフラン誘導体の抗菌作用が注目され始め,これが医薬として応用されたのはDodd & Stillmann(1944)によるフラシン発見以降である。一方我国においても1946年西海枝ら2)3)によりフラシンが合成され,その抗菌性が報告されてきた。しかしながら近年抗生物質の進歩改善は華々しくフラン系物質に関する研究はややもすればその陰にかくれがちであつたが,抗生物質耐性菌の問題から最近徐々に医薬界の脚光を浴びてきた。その際に1950年頃4)5)グアノフラシン点眼により眼瞼白斑が屡々発生することが問題となり,その効果の優秀性が判りながらフラン誘導体の医薬応用は後退せざるをえなくなつた。しかしこの抗菌性を亢め,副作用を除去する研究は地道にその後も続けられ,今回金沢大学薬学部三浦教授ら6)が偶然Bis(5-nitrofurfurylidene)acetone-guanylhydrazoneをアルカリ存在下に有機溶媒中で加熱し強力な抗菌作用を示す新物質を発見した。この物質は1,2,4triazine核を有する新ニトロフラン誘導体で日本医大細菌学教室木村教授ら7)及び富山化学工業開発部甲斐原ら8)によりその抗菌性が証明された。本誘導体はパンフランと命名され特に赤痢耐性菌に著効を示すと云われている。
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