Japanese
English
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パンフラン軟膏による各種皮膚疾患治療成績
THE RESULTS OF THE TREATMENT OF VARIOUS SKIN DISEASES WITH AN OINTMENT CONTAINING 3-ACETYL-6-(5'-NITROFURFURYLETHENYL)-TRIAZINE (1,2,4)
川村 太郎
1
,
笹川 正二
1
Taro KAWAMURA
1
,
Shoji SASAGAWA
1
1東京大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Tokyo University
pp.167-170
発行日 1965年2月1日
Published Date 1965/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204010
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I.はじめに
フラン誘導体は抗菌作用を有しており,Dodd & Stillmanにより1944年フラシンがはじめて使用され,以後グアノフラシン,Zフランなどがつくられた。最近三浦氏らにより新しく強力な抗菌作用を有するパンフランがつくられ,既にパンフランSとして内科領域では赤痢に対して有効なことが報告されているが,今回富山化学工業株式会社よりパンフラン軟膏が試供され,東大皮膚科において各種皮膚疾患に使用したので,その治療成績を報告する。
われわれの使用した軟膏はパンフランアセテートを0.03%に含むポリエチレングリコール基剤の黄色の軟膏である。パンフランアセテートは3-Acetylamino−6-(5'-nitrofurylethenyl)-triazine(1,2,4)で,構造式は第1図の如きものである。その特長はグラム陰陽各種細菌に対し広範,強力な抗菌スペクトルを有し,抗生物質サルファ剤との交叉耐性を認めず,毒性が少い。皮膚疾患の原因菌となる細菌に対すろパンフランアセテートの抗菌作用は第1表の如くである。
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