文献紹介
乾癬と紫外線およびクロロキン,他
pp.245
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204030
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これまで乾癬の患者に合成抗マラリア剤を投与すると,症状の増悪を来たすという報告が多くみられ,その為に関節炎と乾癬の併発例において,クロロキンの投与を見合わせた例に遭遇することがあつた。そこで乾癬患者9名にクロロキンを6乃至13週間投与してみたが,1例の増悪もなく,むしろ6例では症状の改善が認められた。また乾癬患者の一見健常と見られる皮膚がいろいろの異常性を示すことについても報告が多いが,14名の乾癬患者について紫外線の最小紅斑量を調べたところ,10例までが正常対照例に比して最小紅斑量が上昇していた。この10例中9例にクロロキンを投与したところ,6例では投与期間中は最小紅斑量が短縮して正常値に近づいたが,投与を中止したところ,6例中5例は再びクロロキン投与前の値まで上昇をみた。
(O'Quinn, S. E. et al.:Psoriasis, Ultraviolet Light, and Chloroquine, Arch. Dermat., 90;211, 1964)
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