Japanese
English
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皮膚科領域に於けるtrans-AMCHAの治験—殊にプラズマキニンとの関連において
TREATMENT OF DERMATOSES WITH TRANS-AMCHA, ESPECIALLY IN RELATION TO PLASMAKININ
加納 魁一郎
1
,
安江 隆
1
Kaiichiro KANO
1
,
Takashi YASUE
1
1名古屋大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine
pp.75-79
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204275
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I.緒 言
炎症性反応が起炎性物質の直接的作用によつて起るのではなくて,起炎性物質の刺激により組織から放出される或る種の物質によつて起るものであろうということは,近時漸く承認されつつあり,この様な物質が組織から出てくる機序について,最近ではプラスミンの意義が大きくクローズアップされ,Lewis1)等はプラスミンによつてこの様な物質の一つ,ブラデキニンが遊離される事を明らかにした。従来,岡本等により合成された強力な抗プラスミン剤であるε-アミノカプロン酸が臨床的に各科で広く使用され,好結果を得てきたが,今回in vitroで,ε-アミノカプロン酸の26倍,in vivoでは,ε-アミノカプロン酸の5〜10倍の抗プラスミン作用を有するといわれるtrans-amino-methylcyclo-hexane-carboxylic acid(AMCHA)が,岡本教授,第一製薬の共同開発により合成され,これを使用する機会があつたので,その結果を報告する。
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