Japanese
English
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尿石症の調査成績—食生活を中心とした
RESULTS OF THE EXAMINATION OF UROLITHIASIS : CHIEFLY CONCERNING UNBALANCED DIET
相戸 賢二
1
,
石津 芳和
1
Kenji AITO
1
,
Yoshikazu ISHIZU
1
1九州大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.1145-1148
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203657
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I.はじめに
結石多発地域における膀胱結石の発生には食餌を中心とした生活様式が大きな意義をもつていることが指摘されており,また文化が進み栄養状態が改善されるにつれて下部尿路結石が激減してきたことが知られている。このような事実からみると尿石の発生に食餌がある程度関係をもつていることは確かであるが,近時とみに増加した上部尿路結石においても病因的に重要な役割をもつているかどうかは明らかでない。むしろ食糧事情が悪化し偏食傾向の強かつた大戦中より栄養状態がよくなつた時期の方が上部尿路結石の増加をみたこと,尿石症患者の食餌がとくに不良とは云えないことなど,食生活の内容自体にそれ程重要な意義を見出しえない事実さえ指摘出来る。わが国においては食生活を中心とした生活環境が尿石発生にどのような影響を与えているかについて検討した報告は少なく,わずかに教室の井口の発表があるが詳しくは検討されていない。
われわれは尿石症の疫学的調査の一端として,問診あるいはアンケートによつて尿石症患者の食生活様式を調査し,これと結石成分などとの関係さらに体格と尿石症との相関などについて検討してみたので報告する。
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