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I.まえがき
皮膚科医に限らず,凡そ臨床家は熟練者と云われるものほど,所謂"Mundtherapie"が上手である。それは知らず知らずの間にpsychosoma-tic therapyを僅かながらも使つていることになるからであると思われる。また,高石1)によれば皮膚疾患は早くから精神身体医学の対象とされてきたようである。皮膚が生理的に情緒の影響をうける事実は誰でも認めうるし,他方皮膚という器官が観察に便利な地位を占めている点などを考えればそれも当然といえよう。さきに,M.E.Ob-ermayer2)は"Psychocutaneous Medicine"なる著書を出版し,各種皮膚疾患を精神身体医学方面より観察している。また,幾人かの先人達は慢性蕁麻疹,円形脱毛症等を精神身体医学的立場より観察し,報告している。高石1)は昭和34年,慢性蕁麻疹及び円形脱毛症の患者の精神身体医学的検索を行ない,皮膚疾患に対する情緒的影響を患者の人格特徴の把握によつて解明しようと試みている。また,昭和37年,神田3),沢田10)は円形脱毛症に対して,また,帷子4)は神経皮膚炎に対して,精神身体医学を中心とした観察を行なつている。また,治療面に於ても,宮沢・熊坂5),谷村藤木6)7),宇都宮・谷・清水8),安田・北郷9),宇都宮・武田・井上11),西浦・谷・有田12),佐藤13)篠崎14),森安15)等多数の報告がある。
The author classified vitiligo vulgaris and alopecia areata from the viewpoint of psy-chocutaneous symptoms by Wittkower & Rus-sell, and investigated the psychosomatic ten-dency of these patients.
The author administered Insidon-Psycho-somatic Harmonizer-to 66 cases of psycho-cutaneous diseases which were mentioned in "Psychocutaneous Medicine" written by M. E.Obermayer.
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