Japanese
English
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皮膚科領域に於けるグリチルリチンの使用経験
THE USE OF GLYCYRRHIZINE IN SEVERAL SKIN DISEASES
出村 光一
1
,
久代 博
1
Koiti Demura
1
,
Hirosi Kusiro
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Niigata University
pp.227-229
発行日 1957年3月1日
Published Date 1957/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201916
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グリチロンは甘草根Glycyrrhizaから抽出されるGlycyrrhizineを含有し,これは体内に入るとGlycyrrhezinsäureとGlucuronsäureに分解され発生機のGlucuronsäureを生ずる如くである。最近,久保木,星崎氏(1955)1)は硝酸ストリキニーネに対する解毒作用に対してGlycyrr-hizinはGlucuronsäure単独使用の場合,及びGlycyrrhezinsäureとGlucuronsäure併用のいづれの場合よりも断然解毒的効果が強い事を報告し又,進藤,芳賀(1954)2)はマウスを用い破傷風毒素,抗毒素間の中和作用に応用し,著明な阻止作用を認めGlycyrrhizineの濃度の高い場合は破傷風毒素を無毒化する作用を有することを認めた。更に市川,斉藤(1949)3)はヂフテリア毒素に対し解毒効果を認め,更にSchulzeは甘草エキスを用いアジソン氏病の1例に於て劇的効果をおさめたと述べ,屋形等(1954)4)は同じくアジソン氏病に対しGlycyrrhizineを含む甘草エキスを使用しDOCA様作用を認め,アジソン氏病治療にDOCAと共に用い,かなりの効果を収めたことを報告している。更にGroen等5)6)もアジソン氏病の治療に用いて効果を認め,これに有効な成分はGlycyrrhizineなる事を実験的に証明した。
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