座談会
皮膚科領域に於けるトリコマイシンの臨床
山本 俊平
1
,
伊賀 征夫
2
,
福代 良一
3
,
河崎 屋三郎
4
,
伊藤 賀裕
5
,
小堀 辰治
6
1京都大学皮膚科
2名古屋市立大学皮膚科
3東京大学皮膚科
4金沢大学皮膚科
5岐阜県立大学皮膚科
6東京逓信病院皮膚科
pp.90-95
発行日 1955年2月1日
Published Date 1955/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201367
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司会(小堀) それじや僣越ですが私が司会をさせて頂きます。学会でお忙しいところをお集り下さいまして有難うございます。
御承知のようにトリコマイシンは細谷先生達が新たに分離せられた,世界で初めてといつてもよい原虫或は白癬菌に作用する抗生物質であります。先生からのお話に従つて,昨年夏私のところで大分熱心にその臨床効果を試験したわけでありますが,私の実験した限りでは,本年の皮膚科性病科雑誌に発表しましたように非常によい成績を得たわけであります。このトリコマイシンは日本人の手によつてつくられたものであり,日本の世界に誇示出来る抗生物質としては始めてのものといつてよいと思います。このトリコマイシンを何とか日本人の手で育て上げたいというのが私共の考えであります。婦人科方面では東京だけでも5・6人の方が集つて,トリコモナス或はカンデイダに対する臨床実験をしていらつしやいますが,皮膚科方面としては主として私が東京でタツチしておりまして,従つて今まで報告したことも非常に私自身の考えが多く片寄る場合もあろうと思います。
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