Japanese
English
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各種皮膚疾患に対するグルクロン酸アミドの臨床効果
CLINICAL USE OF GLUCURONIC ACID AMIDE IN SEVERAL SKIN DISEASES.
土肥 淳一郎
1
,
籏野 倫
2
,
川村 太郎
3
,
三浦 修
4
,
野口 義圀
5
J. DOHI
1
,
H. HATANO
2
,
T. KAWAMURA
3
,
O. MIURA
4
,
Y. NOGUCHI
5
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
2慶応義塾大学医部学皮膚科教室
3東京大学医学部皮膚科教室
4日本大学医学部皮膚科教室
5横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology School of Med. Jikeikai
2Dept. of Dermatology School of Med.Keio
3Dept. of Dermatology School of Med.Tokyo
4Dept. of Dermatology School of Med.Nihon
5Dept. of Dermatology School of Med.YokohamaUniversity.
pp.697-701
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203332
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I.はじめに
皮膚疾患と肝機能に関しては,多数の人々がそれらの間に何等かの関係を認めて結論づけている。すなわち,多数の皮膚疾患患者に肝機能障害が認められ,肝機能障害と並行して皮膚機能が推移することから肝機能障害が皮膚疾患発症の一因子と成りうると考えられている。また,荒川1)等をはじめとして多くの人々が肝庇護剤の投与によつて肝機能の改善と,それに伴う皮膚機能の好転によつて,皮膚疾患の治療に良好な成績を得たことを報告している。従来,肝庇護剤の一つであるグルクロン酸が皮膚疾患の治療に有効であることは,安田2),金井2),斎藤4)をはじめとして多数の学者によつて報告され,また各種肝機能障害の治療にも有効であつたことは田坂5),松本6)等によつても報告されている通り,グルクロン酸の基礎的及び臨床的研究は数多くなされている。
此度,われわれは中外製薬株式会社に於いて,新に合成されたグルクロン酸アミドを使用するにあたり,東大,慶大,日大,横大,慈大各皮膚科学教室に於て,皮膚疾患に於けるグルクロン酸アミドの効果に就て共同調査を行つたので,ここにその総括を述べる次第である。
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