Japanese
English
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Microsporum gypseumによるケルスス禿瘡の1例
A CASE OF KERION CELSI DUE TO MICROSPORUM GYPSEUM
宮澤 偵二
1
,
吉田 慶行
1
,
福士 堯
1
T. MIYAZAWA
1
,
Y. YOSHIDA
1
,
G. FUKUSHI
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.953-955
発行日 1960年11月1日
Published Date 1960/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202932
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Ⅰ.緒言
頭部白癬は3〜13歳の年齢,特に学童期の男子に好発する慢性,遷延性,難治性の疾患で,起因菌は小胞子菌属および白癬菌属である。臨床症状および病理細織学的に浅在性頭部白癬と深在性頭部白癬とに2大別され,前者は欧米においてはMicrosporum (以下M.と略) audouiniの感染によるものが多く1),本邦においてはTrichophy-ton (以下T.と略) ferrugineurn,T.violaceum2)によるものが大部分である。深在性頭部白癬は所謂ケルスス禿瘡であり,起因菌は欧米においてはM.canisが主要部分を占め1),本邦においてはT.violaceum3)4)5),T.rubruln,6)7),T.men-tagrophytes2)8),T.ferrugineum5)が分離され,またM.gypseumの分離された報告もあるが9)10)11),かかる報告は南アフリカを除く世界各国においても甚だ少い1)。
我々は,昭和34年4月,10歳男子ケルスス禿瘡の病巣からT.gypseumを分離し,更に自然感染状態における同菌の毛髪に対する態度を観察したので,ここに報告する。
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